吸収・発光スペクトル計算

 振電相互作用を考慮したスペクトル計算

振動構造を考慮した複雑なスペクトル計算が可能です。  また、従来技術では不可能であった振動状態の帰属が可能です。

吸収および発光スペクトルと振電状態の関係性
吸収や発光した分子は、振電相互作用により振動緩和や内部転換を引き起こします。振電相互作用解析を用いることで発光分子への様々な応用が可能になりました3。吸収においては励起状態の各振電状態への遷移が、蛍光発光においては基底状態の各振電状態への遷移が起こります。

応用例1

代表的な紫外線吸収剤の吸収スペクトルを従来技術および当社技術にて計算し、実測スペクトルと比較しました。

電子遷移のみ考慮し、振電相互作用を考慮しない従来技術では、吸収スペクトルの長波長側形状を再現できません。

振電相互作用を考慮した当社技術では、吸収スペクトルの長波長側形状を再現し、帰属を行うことができます。

応用例2

代表的な蛍光分子ルブレンの吸収および蛍光スペクトルを計算し、実測スペクトルと比較しました。

ルブレンの吸収スペクトルにおいては振電相互作用が強いため明瞭な振電プログレッションが認められます。振電相互作用を考慮した当社技術ではその複雑なスペクトル形状を再現しております。

蛍光スペクトルも同様に振電プログレッションが認められます。当社技術ではスペクトル形状を再現し、振電状態の帰属を行うことが可能です。

参考文献

(3) Y. Shigemitsu, M. Uejima, T. Sato, K. Tanaka, Y. Tominaga, J. Phys. Chem. A, 116, 9100ー9109 (2012).